全国初 サテライト保育園を新設

2014.05.05

全国初 サテライト保育園を新設

公明新聞:2014年5月2日(金)

送迎の負担を軽減
本園-分園バスで結ぶ
保育の様子、映像で確認も待機児童の受け皿拡大

 

増え続ける待機児童への対策として、東京都江東区は4月1日、
同区豊洲地区に保育園の「分園」を設け、約4キロ離れた有明地区にある
オフィスビル内の「本園」とをバスで結ぶサテライト型の認可保育園
「江東湾岸サテライトナータリースクール」を新設した。
保護者が通勤などの際、駅近くの分園に子どもを預け、帰宅時などに迎えに行く。
超高層マンションが完成するたび数百世帯が流入し、
待機児童が集中する同区の湾岸地域。遠い保育園まで足を運ぶことなく、子どもを預けやすくなった。
都議会公明党・少子対策プロジェクトチームの橘正剛座長らはこのほど、
「全国初の試み」(区保育計画課)として注目を集めている同保育園を視察し、
関係者と意見を交わした。

「はーい、着いたよ」「ただいまー」

平日の午後5時すぎ、地下鉄有楽町線豊洲駅(江東区)近くにある分園の駐車場に、
送迎バスが着いた。元気な声を上げて降りてきたのは、
同区有明地区の本園から戻ってきた子どもたち。
分園で保育士に絵本を読んでもらったり、ブロック遊びをしたりして保護者が迎えに来るのを待つ。

200人規模の子どもを保育できる本園の様子

運営は社会福祉法人高砂福祉会(千葉県流山市)。
分園では0~1歳児の49人を、本園では徒歩で通える家庭の0~1歳児16人を含む、
0~5歳児149人を保育している。保護者は朝、子どもを分園で保育士に預ける。
本園に行く子どもはバスで送る。夕方は保護者が迎えに来る時間に合わせ、
本園の子どもを分園に送る仕組みだ。送迎バスには保育士も同乗。
朝夕は10分間隔で走らせ、発熱による帰宅といった急な迎えにも対応する。

分園のある同駅周辺では、再開発によるマンション建設が進み、
保育需要が急増。しかし、駅近くには多人数を受け入れる保育施設がないため、
広い用地を確保しやすい有明地区に本園を設置した。

分園では、その日の保育の映像をモニターで確認できる

本園は12階建てビルの3階部分(1000平方メートル)のワンフロアを使用。
同区の田渕泰紀保育計画課長は、「すぐに保育園を開設できるよう、
オフィスビルの空きフロアを借りることを考案した。十分な広さが確保でき、
一つの施設で200人規模の子どもを保育できる」と語る。
一方、分園では保護者が子どもを待つ間、
本園で撮影されたその日の保育の映像をモニターで見られることも特徴。
副園長も常駐し、本園との連絡体制を密にするなどの工夫をしている。

利用者の藤田寿美さんは、「近くに分園ができて本当に助かっています」と喜んでいた。

視察を終え、橘座長は「今困っている保護者にとって、
少しでも早く保育所を整備してほしいという願いは切実だ」と述べ、
「急増する保育サービスの需要に応えるためにも、こうした仕組みは必要」と語っていた。
視察には、公明党の木内良明、伊藤興一の両都議と、地元の佐竹敏子、
高村直樹、河野清史の各区議が同行した。

 

 


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