北海道の焼き肉店で先月、カンピロバクター細菌による
集団食中毒があり、女子中学生が死亡していたことがわかりました。
中学3年生の女子生徒は3月19日、
北海道栗山町の焼き肉店で開かれた
部活動の卒業生を送る会に参加しました。
店はバイキング形式で、女子生徒を含め部活仲間14人が
食中毒の症状を訴えていました。
検査の結果、5人から「カンピロバクター」と呼ばれる細菌を検出。
保健所はこの菌による集団食中毒と断定しました。
お店の経営者さんは、
「牛肉、豚肉、鶏肉、ホルモン、レバー(を提供)。
すごくつらいですし、本当に反省しています」
とインタビューで答えていましたが、
加熱処理が十分行われていたのかも気になる点です。
カンピロバクターとは
カンピロバクターは、食中毒を起こす細菌です。
ニワトリ、ウシ、ブタ、ヒツジ、イヌ、ネコ、ハトなどの動物の消化管内に
高率に住み着いています。
この菌は、酸素が少ない環境を好み、
酸素が十分にある通常の大気や、
逆に酸素が全くない環境では増殖できません。
また、食品や水とともに、ヒトの口から入り、
腸内で増えて下痢などの症状を起こします。
他の食中毒と比べて、少量(100個程度)の菌でも
感染をおこすといわれており注意が必要です。
カンピロバクター食中毒の特徴
カンピロバクター食中毒は、下痢や腹痛をはじめ、発熱、
倦怠感、頭痛、めまい、筋肉痛など多様な症状が起こることがあります。
初期段階では風邪と間違われることもあります。
菌が体内に入ってから発症までの期間(潜伏期間)が1〜7日(平均2〜3日)と
他の細菌性食中毒に比べ長いのが特徴です。
カンピロバクター食中毒の発生状況と原因食品
わが国におけるカンピロバクター食中毒の発生件数は、
平成10年ごろから増加しています。
東京都内のデータですが同じように、平成15年には、
細菌性食中毒の原因物質別事件数及び
患者数のいずれにおいても一位になっています。
その原因食品として鶏肉の関与が疑われています。
特に、生又は生に近い鶏肉(鶏肉の刺身、レバ刺し等)を食べたことにより
発症する場合が多く、鳥肉の生食や加熱不足の鳥肉料理及び
二次汚染が原因と考えられています。
カンピロバクター食中毒の予防方法は?
カンピロバクター食中毒は、加熱調理によりカンピロバクターを死滅させること、
及びカンピロバクターに汚染されている可能性のある食品からの
二次汚染を防止することにより予防が可能です。
具体的には、
①食肉は十分に加熱調理(中心部を75℃以上で1分間以上加熱)を行う。
②二次汚染防止のためにも食肉は他の食品と調理器具や容器を分けて処理や保存を行う。
③食肉を取り扱った後は手を洗ってから他の食品を取り扱う。
④食肉に触れた調理器具等は使用後洗浄・殺菌を行うことが重要。
以上の点を気を付ける事があげられます。
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北海道の焼き肉店で先月、集団食中毒があり、
女子中学生が死亡していたことがわかりました。
保健所は「カンピロバクター」と呼ばれる細菌による集団食中毒と断定しました。
中学3年生の女子生徒は先月19日、
北海道栗山町の焼き肉店で開かれた部活動の卒業生を送る会に参加しました。
店はバイキング形式で、女子生徒を含め部活仲間14人が
食中毒の症状を訴えていました。
検査の結果、5人から「カンピロバクター」と呼ばれる細菌を検出。
保健所はこの菌による集団食中毒と断定しました。
「牛肉、豚肉、鶏肉、ホルモン、レバー(を提供)。
すごくつらいですし、本当に反省しています」(焼き肉店経営者)
症状が重かった女子生徒は、
下痢や発熱などで札幌市内の病院に入院。
1日の午後になって死亡しました。
「私自身、前日にお見舞いに行って、
それまで体調がある程度いいと思って。
食中毒の流れの結果だということで、お見舞いを言いたいし、謝りたい」
(焼き肉店経営者)
警察は現在、
女子生徒の死亡の原因がカンピロバクターによるものなのか調べています。
国内で発生している食中毒で最も発生件数が多いのが
カンピロバクターによるものです。去年は306件1893人の患者が報告されています。
「一番多いのは下痢、腹痛というところですね。
適切に抗生物質を使えば1週間以内には元気になると思います」
(東京顕微鏡院 名誉所長 伊藤武氏)
カンピロバクターは、ニワトリや牛豚などの腸管の中に存在しています。
中でもニワトリは保菌率が高く、鶏肉の5割、
半分近くが汚染されているともいわれています。
鳥の刺身や生レバーやユッケなどは感染のリスクが高い食品です。
「牛肉や豚肉、鶏肉は必ず加熱する。肉が褐色になるまで焼く。
生肉に触ったときに、箸にカンピロバクターがつきます。
生肉を取る箸と焼いて食べる箸は別にする」
(東京顕微鏡院 名誉所長 伊藤武氏)
中心部を75度以上で1分間以上加熱すれば、
カンピロバクターやO157などの大腸菌は死滅します。
気温が上がり湿度が高くなる4~6月に発生のピークを迎えるということで、
これからの季節、警戒が必要です。(03日18:07)
最終更新:4月3日(金)22時38分
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